「健康の経済学」康永秀生 著のまとめ/その2

はじめに「健康の経済学」


健康の経済学ー医療費を節約するために知っておきたいこと

私がこの本を読んでみようと思ったのは”医療経済学”について関心を持ったからだ。私は常々「人間は意思決定が適切にできない、適切な意思決定ができるように適切な介入をしたい」と思っている。

適切な選択とはなにか、適切な介入とはなにかの答えを求めるデータサイエンス。適切な介入のの方法論としてマーケティング・行動経済学をキーワードにしている。

ただし、私は勉強を始めたばかりでキーワード選定を誤っている可能性を多分に秘めている。例えば、マーケティングを勉強してみると、そこには行動経済学ではなく社会学の影が見えた。

今回、医療経済学に関心をもった理由は、適切な選択をセグメント別に考えてみようと思ったからだ。私はいままで、「学習をする」「食習慣を改善する」「運動習慣を改善する」など多くの場合良いだろうと思われる事柄すべてに画一的な介入が必要だと漠然と考えていた。しかしながら、おそらくそれは対象者の心理をないがしろにした、前時代的なマーケティング手法のそれだと先日読んだ「大学4年間のマーケティングが10時間でざっと学べる」(ぼくの記事)で学習した。そのため、対象者の心理を理解するには対象者をセグメント別に検討する必要があるのではないか、と思ったところだ。

つべこべ言ったけど「健康の経済学」という本を尊敬する方におすすめ頂いたので読みますって話です(笑)その1はこちら


「健康の経済学」第5章_救急車は有料にすべきか

経済学的には、公共財と私的財の2つに分けられる。公共財は、公的機関がやっているものという意味ではなくて、非競合性と非排他性をもつ財のことです。例えば、一般道路は公共財ですが、高速道路は私的財です。

医療が私的財か公共財かは、各国の制度による。イギリスは医療の国営化がなされているため、医療を受ける際には自己負担がありません(=公共財です)。一方でアメリカは、医療は自己負担なので明確に私的財です。日本は、自己負担が3割なので、イギリスとアメリカの中間と言えます。

→日本では、救急車は公共財として扱われています。出動の要請回数や内容にかかわらず、無料で利用できます。しかしながら、モラルハザードやフリーライダー問題によって純粋公共財にしておくと、財源(つまり、私やあなたが支払ったお金)が不当に消費されてしまいます。

救急車以外にも、時間外外来という(経済的に)似た問題を抱えている制度もあります。時間外外来は、出勤している医師は少なく、来院する患者は相対的に多くなります。また、検査もすべてできるわけではなく、また空いている時間に来てねって言われるだけです。コスパの悪い選択といえます。

「健康の経済学」第6章_自由に病院を選べるのは良いことか

保険は、①リスクを勘案して料金設計を行う②収支相等の原則を守るのが一般的。日本の健康保険はこの2つを両方とも守れていない。

①は、リスクと保険料ではなく、収入と保険料が比例の関係になっている。②は、保険料だけでは医療費を賄えておらず、税金を投入している。

原因の1つとして、過剰な診療が挙げらる。それはフリーアドレス(自由に病院を選べる)だから。フリーアドレスなのは、日本やドイツだが、ゲートキーパー製(自由に病院を選べない)の国々は、診療回数や重複した調剤が少ない。

初診料は、フリーアドレスによる過剰診療対策のために設けられた。違う病院行こうと思うとお金がかかる仕組みです。

本書では、人頭払いのゲートキーパーが良いだろうと示唆されている。

たしかに、出来高払いにしてしまうと、無駄に病名を診断してお金を稼ぐこともできてしまう。また、病院も営利企業なので、そりゃ病名付けたいよね。

「健康の経済学」第7章_日本に病院が多い理由

日本は人口あたりの医師数は少ないが病院数は多い。また、在院日数も長い.

日本で病院を減らそうとすると、地域住民からの反発があったり、実際に言いだしっぺの市長がリコールされた例もあります。一方で、実質的に財政破綻した夕張市は市立病院は閉鎖されました。しかしながら、死亡率に変化はありませんでした。

肺炎球菌ワクチンや口腔ケアを導入し、高齢者の肺炎死を減少させました。

夕張市は財政破綻のために、医療インフラを切り捨てざるを得なくなりました。ところが案外に、病院がなくなっても人々は健康で幸せです。病院が人々に健康の拠り所ではなかったのです。

医療の質は口コミではわからない。病院の口コミサイトがあるが、頻出コメントは「病院食がおいしい」「トイレがきれい」「医師が丁寧に説明してくれる」など、医療そのものとは無関係。

医療費増加の原因は「人口高齢化」ではないし「医師誘発需要」でもない。「医療制度」「国民所得の増加」「医療技術の進歩」である。とりわけ「医療技術の進歩」の影響が大きい。

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Posted by タカスケ